塩山探検ルポ>>ワイナリー

ワイナリールポ その1
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     ワインの原料となるブドウの収穫を体験。ワイン作りに参加できる楽しさを味わう。    
       
    ▼ブドウの収穫    
収穫前にブドウのとり方を説明するスタッフの山上さん(左)
塩の山を見下ろす桜沢農園
休憩で参加者たちのコミュニケーション
 

 9月初旬、奥野田葡萄酒醸造では、ブドウ畑で白ワインの原料となるシャルドネという品種のブドウを収穫。さっそく体験させてもらった。
 同社はホームページの掲示板を使って、『収穫し隊』を呼びかけている。何の予備知識を持たない初心者でも、自分たちの手でブドウの収穫を無料体験できる趣向である。
 この日も親子連れや会社員などが約10人集まり、額に汗しながら桜沢の畑で収穫。園芸用のハサミを片手に、ミカン箱に黙々とたわわに実った房を詰めていく。
 中村:農耕民族の血が騒ぐでしょ。
  確かに初めてなのに思わず没頭してしまう楽しさである。せっせと手を動かし、疲れたらブドウの実を一口パクッと放り込む。水分とブドウ糖の供給をしながら働くマシーンと化し、実に効率が良く、爽快な汗をかける。

 中村: 実は、つい最近まで本格的なワイン用のブドウは『山梨ではできない』と言われていました。しかし、実際に栽培してみれば、甘くておいしく実がなることがわかったのです。
 栽培技術に自信がついた同社では、休耕の畑を引き受けて、栽培面積を増やしていく計画だという。

 中村: ワインに反映させる産地特性のことをテロワール(フランス語)といい、なるべく塩山の恵まれたテロワールが味わえるワインを造っていきたいと思っています。
 気候や地形、土壌、生態系などの地域性をすべて含む環境が『テロワール』ということらしい。わざわざヨーロッパの味に完璧に似せる必要は無いということなのだろう。今年の気候は、ブドウに適したもので、程よいビンテージになりそう、とのこと。奥野田葡萄酒の2001年版シャルドネを試してみたところ、開封直後は、すっきりした飲み心地で、数日経つと味に濃さが増してくるようであった。

 

  親子で体験
10キロもある荷物を笑顔で運ぶ少女たち
    ▼仕込み、ボトリング    
▼仕込み
除梗破砕機(クラッシャー)

左から茎、右から実が出てくる

ミキサーに入れられる果実と果汁

   ブドウは収穫後2〜3日置くと、果実の皮と実が分離しやすくなるという。
 貯蔵後のブドウは、除梗破砕機(じょこうはさいき:クラッシャー)で、茎と実の部分に分けられる。破砕機の上からブドウの房を入れると、きれいに茎が取り除かれて、実と果汁はミキサーに吸い上げられる。この日は1トンあまりのブドウを仕込む作業だったが、作業場には果実の甘い香りが一面漂っていた。
 ミキサーの中で果汁と皮のスキンコンタクトを取り、数時間後に貯蔵タンクに移される。

 このワインの瓶詰め(ボトリング)は、来年になるが、新酒のボトリングの模様が、デジカメ画像で同社から届いた。右の4つの画像がそれである。

 

<<その1 完>>

  ▼ボトリング
ボトリングマシーン

キャップシールをつける

新酒のボトリング作業

樽発酵の開始を見守る中村さん

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